クラシック（映画）

サイレント時代のウェスタンの大スター、ウィリアム・S・ハートが悪党であるが根は善良な男を演じ、彼を法の手に陥れた裏切り者への復讐に命を燃やす。日本では1922年に公開された。ハートは初期西部劇のいい加減な描き方に腹を立て、リアルなウェスタンを作る事に力を注いだ。彼のさばく二挺拳銃はあまりにも有名。

アメリカに住んでいた先住民族達は、ヨーロッパ列強の侵略により奥地へと。さらに建国したアメリカ政府と20年に渡る戦争の末、不毛の地に追いやられる。インディアンを監視する町メサは、悪徳役人ブッカーが実務を取り仕切り、インディアンの馬を取りあげ転売していた。これに怒ったインディアンのノファイエは他の役人に抗議するが無駄だった。やがて決起するインディアン達・・・。

怪傑ゾロの原点が奇傑ゾロである。快男児ダグラス・フェアバンクス主演の痛快アクション。19世紀末のメキシコ領カリフォルニアでは知事と軍の圧政に人々は苦しんでいた。そこへさっそうと現れ、悪を退治するマスクと黒装束の男ゾロ。正体はいったい誰なのか。搾取に苦しむ領主とその娘の運命はいかに。内向的でひ弱な男、ドン・ディエゴ・ヴェガは、金持ちのスペイン貴族の御曹司だった。

一世を風靡したミュージシャン、キャブ・キャロウェイと彼のバンドの演奏が堪能できるミュージカル・エンタテインメント。敏腕女性マネージャーに発掘され、成功を夢見てクラブで演奏を続けるが、人気を妬む別のクラブ・オーナーに命を狙われるなどのサスペンス要素も盛り込んであり、ストーリーも楽しめるが、やはり見所はキャロウェイの天才的歌唱力だ。

ルイス・ブニュエル製作・監督・脚本、サルヴァドール・ダリ共同脚本。あまりにも有名なシュルレアリスム映画の金字塔。カミソリで眼を切られる女や自転車から落ちる修道士、道に転がる切り落とされた手、這い回るアリ等が脈絡もなく唐突に繋ぎ合わされて独特の世界観を作り出している。

若き日のジョン・ウェインの活躍が堪能できる痛快ウェスタン。弟と生き別れ父の仇を討つ為に悪党になりすまし疑惑の一味に参加する。悪党を倒し父の仇を捜し出し弟を見つける事ができるのだろうか。ジョン・ウェインが一瞬だが一人二役を演じた興味深い作品。登場後すぐに死んでしまうが残忍な指名手配犯とうりふたつという主人公を演じている。

若き日のジョン・ウェインの活躍が堪能できる痛快ウェスタン。悪党の支配に苦しむ町にやってきたガンマンが、悪を退治し町に平和を取り戻すという、ヒーローウェスタンの王道。誰も姿を見た事のない支配者シャドーによって次々と保安官が暗殺され、町が荒廃する中、ガンマン、ジョン・ウェインが謎を解明する為にやってくる。町一番の美女とのロマンスも切っても切れない要素である。

「アリ・ババ」と同様、ステンシル・システムによる彩色されたカラー作品。古典作品の映画化を得意とするアルベール・カペラーニ。このような有名な題材をあえて選んでいるのは、世界中にフィルムを売る為であった。

1902年に製作された作品に、少し手直しを加えた1905年の再公開版。大変珍しいカラー作品。この頃はまだ、ステンシルを画面に合わせてメスで切り抜き、ワクをこさえてから着色していくシステムである。フランスのフェルディナン・ゼッカの製作。

ロイス・ウェバーと同じく、女性映画監督の先駆けとなったアリス・ガイ・ブラシェの製作・監督作品。お互いの誤解により、離婚の危機に直面した夫妻が、弁護士の調停のもとに、筆談のみでの夫婦生活を余儀なくされた。サイレンと時代の字幕の効果を最大限に生かした企画となっている。