クラシック(映画)

クラシック(映画)

『虎の尾を踏む男達』映画(一般動画) DMM (森 雅之)

北陸道を急ぐ山伏姿の七人の男達がいた。兄の源頼朝から逃れる弟の義経と弁慶ら一行だ。村で雇った強力から、関所では義経らを捕まえようと厳しい警護がなされている事を聞く。安宅関で一行は南部東大寺建立の為の勧進山伏を装い通過しようとするが、関所の富樫は一行を疑い勧進帳を読めと迫る・・・・・・。能の「安宅」や歌舞伎の「勧進帳」で知られる義経一行の関所越えを元に作られ、ミュージカルともいうべき異色作。戦争末期の悪条件のなか、限られたセットで撮影されたが窮屈さを感じさせない。弁慶に大スター大河内傳次郎を、強力に当時人気絶頂のコメディアン、エノケンこと榎本健一を起用した贅沢な作品。
クラシック(映画)

『椿三十郎』映画(一般動画) DMM (三船 敏郎)

ある夜、人気のない社殿で九人の若侍が密議していた。城代家老に汚職に関する意見書を提出したが受け入れられず、逆に大目付に諭され鬱憤を貯めていたのだ。そこへ物陰から一人の浪人が現れ、大目付が黒幕であると助言。現状はその通りで浪人は若侍達を手助けする事になり、お家騒動に巻き込まれていく・・・・・・。大ヒットした「用心棒」に続き、三船敏郎が再び浪人を熱演、驚異的な二十人斬りを見せる。そして最大の見所はラストの三船と仲代達矢の決闘シーン。長い睨み合いの末、一瞬の居合いで勝負がつく。血が噴水のように噴き上がる演出は、それまでのどの映画にもなかったもので、その後の映画に決定的な影響を与えた。
アクション(映画)

『續姿三四郎』映画(一般動画) DMM (河野 秋武)

長旅から戻った姿三四郎は修道館の人々に暖かく迎えられる。その頃、右京ヶ原で三四郎に敗れ病床に伏す檜垣源之助の弟・鉄心と源三郎が、兄の復讐の為に上京する。傍若無人に振る舞う二人から果たし状を受け取った三四郎は、正義感から単身、彼らの待つ天狗峠へ向かい、破門を覚悟で一対二の死闘に挑むが・・・・・・。大ヒットした「姿三四郎」の続編。前作の名場面、右京ヶ原での対決にかわる雪の天狗峠での一対二の格闘シーンでは、三四郎役の藤田進が雪の中を素足で大立ち回りを演じ、前作を上回る迫力を見せた。またその後の黒澤映画に通底するヒューマニズムの精神も垣間見られ、見応えのある娯楽作品に仕上がっている。
クラシック(映画)

『素晴らしき日曜日』映画(一般動画) DMM

ある日曜日、恋人同士の雄造と昌子は街に出た。所付金は二人合わせて三十五円と寂しいものだったが、仲良く街を歩く。モデルハウスを見学した昌子は、夢見がちになるが雄造が水をさす。それからというもの良い事は起こらず二人はふさぎこむが、最後には気を取り直し、夜の野外音楽堂で二人だけのコンサートを開く……。敗戦直後の風俗を背景に恋人たちのささやかな日常を描いて、爽やかな感動を呼び起こした心暖まる小品。スクリーンの中から観客に向かって拍手を呼びかける前代未聞のシーンには、黒澤監督の熱い想いが込められており、本作がパリで公開された時には、映画館が熱狂的な拍手につつまれたという逸話も残っている。
アクション(映画)

『姿三四郎』映画(一般動画) DMM (河野 秋武)

明治十五年修道館の茶道家・矢野正五郎に心酔した姿三四郎は門下生となり頭角を現すが、慢心による思い上がりから大乱闘を起こす。この事件で師から罰を受けた三四郎は謙虚な男に生まれ変わり、武道とは暴力ではない事を悟る。そんな三四郎に修道館と対立する他流派の猛者達から、次々と挑戦状が舞い込む・・・・・・。記念すべき黒澤監督のデビュー作。全部で七箇所ある格闘シーンは、それぞれ趣向が凝っていて見応え充分。特にラストの右京ヶ原での対決は、コマ落としやモンタージュを駆使し世間を驚かせた。また当時の国策的作品に反逆し自らの信念に忠実に作られた本作品は、その後何度か映画化されるなど、後世に影響を与えた。
クラシック(映画)

『蜘蛛巣城』映画(一般動画) DMM (三船 敏郎)

戦国時代、蜘蛛巣城の城主・国春に仕える鷲津武時は謎の老婆の予言を聞く。それによれば武時はやがて城主になれるという。もとより権力欲の強い武時は妻の勧めも手伝い君主を殺害、城主に収まる。また疑心暗鬼から盟友の親子をも手にかける。君主と親友を殺害した武時は、次第に妄想に取り憑かれていく。そんな時、隣国から軍勢がなだれこんでくる。先手の将は武時に君主殺しの濡れ衣を着せられた軍師だった・・・・・・。シェイクスピアの「マクベス」を戦国時代に翻案。原作の持つ弱肉強食の凄まじい世界観と噛み合って強烈な物語になった。能様式を取り入れた演技、巨大なオープン・セットによる鉄壁の蜘蛛巣城が雰囲気を醸し出す。
アクション(映画)

『影武者』映画(一般動画) DMM (仲代 達矢)

武田信玄の遺言により、信玄の影武者が誕生する。素性が盗人ではとうてい勤まりそうになかったが、信玄の密葬に感動してからは立派に勤めを果たそうとする。他方、家康と信長の生死をさぐる陽動作戦に出るが、一子・勝頼はそれを迎え撃ち勝利する。喜びもつかの間、信玄の愛馬から落馬したことで影武者である事が暴露されてしまう・・・・・・。主役交代劇、主役を除く全配役のオーディション、200枚におよぶ水彩画絵コンテ、特別に許可がおりた国宝級の城の撮影。製作発表から完成までに、多くの話題を集めながら、華麗でダイナミックな重量級の戦国絵巻が誕生した。1980年度カンヌ国際映画祭グランプリに輝く超大作。
アクション(映画)

『隠し砦の三悪人』映画(一般動画) DMM (三船 敏郎)

戦国の乱世、秋月家は隣国の山名家と戦って敗れる。秋月家の侍大将・真壁六郎太は、世継ぎの姫君・雪姫を擁して隠し砦にこもる。六郎太はお家再興のための軍資金を運び出す脱出計画を練るが、敵地を横断突破するより他に道はない。六郎太、雪姫ら一行は奇策に満ちた敵中突破作戦を開始する・・・・・・。危機また危機、アクションに次ぐアクションが小気味いい痛快娯楽時代劇。黒澤監督が初めて手掛けたシネスコ大画面の作品であり、張りつめた緊張感とダイナミズムが観る者を圧倒する。ジョージ・ルーカスが本作から「スター・ウォーズ」のC−3POとR2−D2コンビのアイデアを得たというエピソードは、あまりにも有名。
クラシック(映画)

『一番美しく』映画(一般動画) DMM (河野 秋武)

太平洋戦争も末期に近い昭和十九年、若い女性達は挺身隊の名で軍需工場で働いていた。精密兵器のレンズ工場では渡辺ツルら数十人の女性が寝食を共にして頑張っていた。成績は着実に伸びていったが、次第に疲労の色を隠せなくなっていった。同時に些細な事からいさかいも起こるようになり和は乱れていく・・・・・・。黒澤作品には珍しい若い女性の集団劇。監督自身、「私の一番可愛い作品」と述べている。撮影にあたっては、女優達から化粧や気取り、芝居っ気などを取り去る為、劇中で描かれている通りの集団生活を経験させた。またスタッフも工場の寮に住み込み撮影を行い、ドキュメンタリー・タッチのリアリティー溢れる作品となった。
クラシック(映画)

『生きものの記録』映画(一般動画) DMM (三船 敏郎)

鋳物工場の経営者・中島喜一は、家族全員でブラジルに移住しようと、突然言い出す。原水爆と放射能に対して被害妄想に陥った喜一は、地球上で安全なのは南米しかないと主張。財産を処分してまで実行しようとする喜一に家族は猛反対、法律に訴えてまで阻止するが、追い詰められた喜一は驚くべき行動に出る・・・・・・。製作当時、米ソの原水爆実験が激化。"核"に対する恐怖を軸に、反核のメッセージを色濃く出した野心作。三台のカメラで別々の角度から同時に撮影するマルチ・カメラ方式を採用。俳優たちにカメラを意識させることなく自然な演技を引き出し、深刻なテーマにより現実味を持たせ、現代の恐怖を突きつけた。