恋愛・ロマンス（映画）

マフィアが宗教と力で支配するマニラのスラム街。冷酷な殺し屋(浅野忠信)が組織の女(ナタリア・アセベド)をボスから救い、街を捨てる。追っ手が迫る中、初めてお互いを理解する男と女。愛と破滅の逃避行が始まる—

アントワーヌは、映画音楽作曲家として成功を収め、美しい恋人アリスとの恋愛も順調で、今まで自分が作曲してきた映画の主人公のように、飄々とユーモアにあふれた人生を謳歌していた。そんな折、ボリウッド版『ロミオとジュリエット』作品の製作のためにインドを訪れた彼は、熱気あふれる大都市ニューデリーで行われた大使館のレセプションで、フランス大使の妻アンナと出会う。異国情緒溢れるのインドを舞台に、お互いにパートナーのいる男と女はやがて魅かれ合う

イザベルは、理想的な彼氏のピエールとパリで同棲中。そろそろ結婚を考え始めていた2人だが、イザベルには結婚に踏み込めない理由があった。それは「一度目の結婚は必ず失敗する」というイザベル家に代々伝わる呪いのようなジンクス。「何とかしてバツイチにならなくては!」と焦るイザベルは、たまたま目の前に現れた旅行雑誌の編集者ジャン=イヴを落とし結婚、そして即離婚に漕ぎつけようと、世界半周旅行について行くのだが—。

恋人を亡くしてから、恋愛を拒否し続けてきた女・ほしと、肩を壊し、アメリカンフットボールを奪われた男・ハル。遠く離れた場所に住む二人は、パソコン通信を通じて出会い、一度も顔を合わせることないままお互いを理解し合い、支え合い、そして恋に落ちる。

1913年、メキシコ全土で革命の炎が燃えさかっていた − 。自分のしたいことも我慢して生きてきた教師ハリエットは、祖国アメリカを捨てたジャーナリスト、ビアスに感銘を受け、母親の反対を押し切りメキシコへと旅立つ。そこでハリエットが出会ったのは、革命軍の若き将軍アローヨだった。激動の時代を背景に、三人の愛と情熱が燃え上がる。

ある日曜日、恋人同士の雄造と昌子は街に出た。所付金は二人合わせて三十五円と寂しいものだったが、仲良く街を歩く。モデルハウスを見学した昌子は、夢見がちになるが雄造が水をさす。それからというもの良い事は起こらず二人はふさぎこむが、最後には気を取り直し、夜の野外音楽堂で二人だけのコンサートを開く……。敗戦直後の風俗を背景に恋人たちのささやかな日常を描いて、爽やかな感動を呼び起こした心暖まる小品。スクリーンの中から観客に向かって拍手を呼びかける前代未聞のシーンには、黒澤監督の熱い想いが込められており、本作がパリで公開された時には、映画館が熱狂的な拍手につつまれたという逸話も残っている。

1980年代のポーランド・ワルシャワで、人間たちを捕食して生きる美しい人魚姉妹は海からあがりナイトクラブにたどりつく。ストリップやライヴ演奏を披露する大人の社交場で、ふたりは得意のダンスと歌を披露し、すぐにスターになる。そんななか、姉シルバーはベーシストの青年ミーテクと恋に落ちる。初めての恋に浮かれるシルバーだが、妹ゴールデンは、そんな姉を複雑な眼差しで見つめていた。人魚にとって、人間の男は“餌”でしかないからだ。やがてふたりの間に生じた緊張感は限界に達し、残虐で血なまぐさい行為へと彼女たちを駆り立てる……。

今は無きオスマン・トルコ帝国のハーレムに売り飛ばされてしまったイタリア人女性、サフィエは、王の寵愛を失ったある女性がハーレムに放火して捕らえられた際、彼女の恩赦を願い出て、王に仕える宦官ナディールの目を引くことに。権力の掌握を目指すナディールによって取り立てられたサフィエは、ハーレムで一番の寵姫になる。やがて帝国の滅亡とともにハーレムも解体され、サフィエとナディールは外界をさまようはめになり……。

楽器工房を経営するマクシムとステファンは、絶妙なコンビネーションで演奏家たちに高い評価を得ていた。ある日、ステファンはマクシムから新しい恋人の存在を知らされる。彼女はヴァイオリン奏者のカミーユで、マクシムは妻と別れて彼女と一緒になることを考えているという。そんな中、ステファンはカミーユのヴァイオリンの修理を請け負うことに。恋人の親友と出会ったカミーユは、彼からの熱い視線に恋愛感情を確信するが…。

1944年の終戦後、イタリアの田舎町にある一家に、ひとりの青年が訪ねてきた。彼は、住人の少女の異父兄の最期を報告するために立ち寄ったのだという。以来、少女と青年は文通の仲になるが、後日改めて家にやって来た青年は、彼女の気持ちも確かめないままに、父親から婚約の許しを得てしまう。さらに数ヶ月が経ったある日、また少女の家を訪ねてきた青年は、自分が人を射殺してしまい、警察のお尋ね者になっていると話し出す。