カジュアル360度カメラ「IQUI」実践レビュー
初代RICOH THETAが発売されて7年が経過しました。
そのTHETAを作り出したメンバーを中心に発足したリコー発のスタートアップ企業「ベクノス」から、第一弾製品となる「IQUI(イクイ)」が発売されました。価格は税別29800円。

現在流通している民生用360度カメラの多くは前後2つの魚眼レンズで撮影した写真を繋ぎ合わせて全天周をカバーしますが、IQUIは水平方向に3つと天頂方向に1つの4つのレンズで撮影します。
これにより超小型でありながら静止画で5.7Kと言う解像度を実現しています。

ボタン類もとてもシンプルで、電源ボタン、シャッターボタン、モードボタンの3つだけ。
撮影も静止画/動画ともにフルオート。本体だけでサッと取り出してパッと撮影できます。

静止画解像度は5760x2880、動画は3840x1920/30fps/約45Mbps。
いずれもスティッチ処理されたEquirectangularデータです。

動画の手振れ補正はまずまずですが、移動撮影時などはスティッチライン(繋ぎ目)がとても目立ちますね…。早い動きや強い光に弱い感じです。
この辺りはファームアップで改善されることを期待しましょう。

また注意したいのが、動画の1回の記録時間が最大30秒までと言うこと。
連続した長時間撮影などはできません。
用途としてはSNS向けと割り切った方が良さそうです。

先行して公開されていた専用アプリ「IQUISPIN」を使用すれば、スマホでのシャッター操作も可能。
ただしIQUI本体に三脚ネジなどはないので、付属のUSBコネクター&スタンドで固定して使用することになります。
自撮り棒が使えないのはちょっと残念ですが、より手軽にと言うコンセプトなのでしょう。
(三脚コネクターを3Dプリンタで作ってみようかな?)

さらにスマホアプリとIQUIを無線接続すると、撮影データが全てスマホに自動転送され、カメラ内のデータは消去されます。必要なデータだけを選択する様なこともありません。勝手に全て転送されます。
現時点でこの転送速度がとても遅いので、動画をたくさん撮ってしまうとあとで大変な目にあいます。
必要なデータだけ選択して転送したり、有線接続でのパソコンでの処理などもできると良いですね。

コンセプトとしてはカジュアルユースを意識した簡単操作だと思うのですが、まだまだ改善が必要そうです。
暫くは静止画中心に使用することをオススメします。