あなたはペットボトルを知っているか? サントリーのR&Dセンターにスネークしてきた
ふだん何気なく使っているペットボトルですか、実はさまざまな知見を元に作られています。今回、サントリーの商品開発センターに潜入が許され、ペットボトルの研究開発現場を取材させてもらいました。

一口にペットボトルと言っても、デザインやキャップの形など千差万別です。その多くは単純にデザイン上のものではなく、耐久性や内容物の特性、商品陳列方法、量産のしやすさなど、さまざまな要素を加味した結果であったりします。

たとえば、コンビニ陳列用と自動販売機用ではペットボトル自体が異なるものがあります。自販機からガコン! と出てくる自販機は平積み陳列のコンビニ用とは求められる耐久性が違うのは想像できるはず。

また、炭酸飲料は内側から圧がかかるため、底部分の形状がそもそも違います。厚みも異なるので見比べてみるといいでしょう。

もっとも薄く軽くできるのが水ですが、薄くしすぎれば、冷却時にペットボトルが凹んでしまうこともあります。お茶やコーヒーなどの飲料も何気ないデザインのようで、実はそれが耐久性を増すための工夫である場合も。

デザイナーは商品がより良く見えるための工夫をこらす専門家です。今回取材したのは、デザイナーの工夫を現実の製品として生産するために、検討検証を繰り返す包材部というセクションです。工場での量産に問題はないのか、商品として求められる耐久性をクリアしたデザインなのか、さまざまな検証が行われます。

お話をうかがった包材部の茂木さんと秋山さんによると、ペットボトルの完成までにかかる期間はおよそ1〜1ヶ月半。しかし、年間に開発しなければならない製品は10をこえており、開発サイクルの見直しが必要でした。サントリーは試作期間を短縮するため、3Dプリンタの導入を決断。大幅な開発短縮に乗り出しました。